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擬態~AnoTher sTory~
知っている
最近、あなたがうまく笑えていないこと
あなたの気持ちを確かめたくて
幸せだね。と、言ってみた
あなたは微笑む
そっか。
私もあなたに倣って嬉しそうにしてみせた
知っている
私をもう見てくれていないこと
今日はお魚が食べたい気分。
あなたはお寿司屋さんに連れて行ってくれて、
ぎこちなく笑った
知っている
あなたの気持ちが離れていること
今度はどこに行こうかなぁ。
あなたは南の方がいいかなとそっけない笑顔で答えた。
知っている
今までの思い出が邪魔をして、別れを切り出せずにいること
それでも私はあなたの側を離れたくない
出来るだけ、何も知らない様に振る舞うの
ねぇ、私のこと好き?
返ってくるのは空っぽな返事だけ
そこに表情はない
声に気持ちが追いついていないみたい
私はあなたの気持ちに
気がついていないふりをして喜んでみた
あなたはもう一度、大好き。
と、言ってくれた
ほら、
いつものぎこちない笑顔がばればれだよ。
あなたは笑顔を取り繕う
いつかこの関係が終わるまで
もう少し上手に隠してよ。
私は今日もあなたの擬態に気が付かないふりをする




