失恋
私にだけ見せてくれるそぶりだと思っていたものは、そうではなかった。貴方の一人称がぽろぽろ変わってしまうところ、笑うと目が綻んで蕩けてしまいそうになるところ、ぜんぶぜんぶ皆んなに見せていた。みんな先生が好きだった。私だけが知っているものではなかった。私だけ自惚れて恋に酔って言葉じゃ表せないくらい大馬鹿者だった。貴方の隣に立てる貴方の大切な人はとてつもなく幸せで、羨ましすぎて妬ましい。でも貴方が幸せで居られるならそれをを受け入れて先生の幸せを願うしか他ならないのだ。私にとっては世界でたった一人の存在である先生だけど貴方にとっての私という存在は何百人もいる中の一人だった。幸せに浸ってもしかして両思いなのかもとか、ラッキーカラーのもの取り入れたら両思いなれるかもとか、いつか王子様が来るって信じてたからそれが今なのかもとか毎日思ってたのが馬鹿馬鹿しい。でも確かにほんの少しの時間だったけど幸せだったな。いつか終わりが来るってわかってたから受け入れなきゃ。わたしはお姫様でいつかきっと、王子様が迎えに来るって子どもの頃から信じてきた。夢は望むから叶うとか、今までこころの宝箱にしまっていた小さくてキラキラした大事な宝石たちが輝きを失い始めてもう全部が全部何だか虚しくなってきた。人生の中で時たま美しい瞬間が訪れるというからそのためにこつこつ毎日頑張ってたけどこうも簡単に破壊されてしまうと、何のために生きてるんだと。考えざるを得なくなる。貴方のそばにいた時は毎日が安心出来たのに今じゃ毎日が不安で悲しくて苦しくて世界がひっくり返ったみたいになった。こんな不安定な人生をこれから先どう歩んでいけばいいんだろう。正しい進み方なんてないし、自分が選んだ道が正しいとか間違ってるとか何にもわからない。それでも、僕を元気つけてくれる人がいる以上死ぬ訳にもいかないんだよな。