前章2
お久しぶりです。
お待たせしまして申し訳ございません。
ただ面倒な少女に付き合うという認識でいたボルフスは少女……ミルティと話をしていて楽しいと感じていた。
自分を王族として認識している者からの媚びへつらう対応と比べて普通の多少ぞんざいな扱いは不敬だと思うよりも気が楽だという気持ちが強かった。
本人も聞かれたくないのか身元について突っ込んでこられなかったのも良かった。
「……あっ!」
暫く話しているとミルティが慌てたように腕時計を確認する。
「私そろそろ帰らないといけないわ」
「……えっ」
ミルティの言葉にボルフスは素直に寂しいと思った。このままミルティを王宮に連れ帰る事が出来ると良いのに、と。
◆◆◆
城に帰宅した後もボルフスはミルティの事が忘れられなかった。
なんで自分がこんなに1人の人間にまた会いたいと思うのかわからない。
「……グレイ」
「いかがしましたか?ボルフス様」
「ひとつ聞いても良いか?」
ボルフスのいつにない雰囲気に気付いたのだろうグレイが居ずまいを正してくれた。
「忘れられない女性がいるんだが、これは恋か?」
ボルフスの言葉が予想外だったのだろうグレイは一瞬驚いた表情を浮かべたがすぐに無表情に戻した。
「ボルフス様の中の事なので私にはなんとも言えません。その方と交流してご自分の気持ちを確かめてください」
グレイの助言になるほどと頷き、それからボルフスはミルティと交流することになる。
その後自分があんな行動に出るようになるとはこの時のボルフスは思いもしなかった。
END
こちらで一応完結になります。
ご購読いただきありがとうございました。
今作は男主人公の年齢が低いのではっきりとくっつきませんでしたので、いずれ○年後みたいなのが書きたいですね。




