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王子の策略  作者: けい
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舞台裏4

ボルフスは現在穢らわしいものを見てショックを受け1日臥せっている……ということになっている。


自室のベッドに腰掛けグレンの報告を聞いて上手くいったとほくそ笑む。




万が一の場合に備えて配下に招待客を酔わせて休憩室を利用するようにはしていたがわざわざそれをしなくて済んだ。自分の配下が連れた介助者と騒ぎを起こしたら不審に思われる可能性が上がることになる。

それを考えると偶然具合の悪い酔っぱらいが通りかかったのは運が良かった。



浮気をされた側としてミルティも醜聞に晒されてしまうので本当は今すぐ婚約を申し込みに行きたいが、1日ぐらいは臥せっていないといけないのが歯がゆいがこれでミルティに婚約を申し込める。


父王も国の重鎮であるルワーズ家を保護したいと考えているだろうし、ルワーズ家にとっても王子に求婚されるというのは醜聞を帳消しにでき、見付けづらくなった新たな結婚相手を探さなくて良くなることから双方への説得も容易だろう。




◆◆◆


「父上。ルワーヌ家のミルティ嬢を婚約者にしたいです」


翌日、ボルフスは父である国王に婚約者の打診をし、ボルフスの予想通り国王はボルフスの打診を了承した。


やはりルワーヌ家を婚約破棄で婚約者無しのままにするのは国のために良くないと国王も思っていたのだろう。


ルワーヌ家が王族の打診を断る訳がないのでこれで安心だ。



ボルフスは自室に戻ると婚約の打診に行くのに必要な物を考えた。


物語では求婚するのに花束や宝石と一緒に言っていたのを思い出したボルフスはグレンを呼ぶ。


「グレン、今から宝石商を呼んでくれ! ミルティに贈る宝石を選ぶ」


「えっ? わかりました」


ボルフスはほとんど初めてなぐらいうきうきした気分で宝石商が来るのを待っていた。

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