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リーティアの領地経営  作者: 優義
第3章 初めての冬越え
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第29話 魔術講座

 手紙の内容で屋敷中に聞こえる叫びを響き渡らせた翌日、私はガドフ、タムラン、ベアトリーチェの3兄妹と共に屋敷の離れ跡に来ていた。

 離れは元々妾や側室が住む場所だったが45年前からは第2夫人とその娘が使っていた、つまり私と私の母だ。母が死に、私が家を出てからは廃墟になって取り壊したようでだだっ広い運動場に差し支えない場所になっていた。


「じゃあ、3人とも魔術について少し鍛錬をしよう」


「「「はい!!」」」


「では復習になるが、何故魔術は使えると思う?」


「えっと........それは魔術の神が私たちに力を授け__」


 魔術は魔術の神が知恵を持つ者に与えた祝福にして技術だと言われている。だから貴族たちは魔術を使える物を重宝する、それがステータスであるからだ。


「あー、そういう意味では無くて私たちが魔術を使うには何が必要かってことだよ」


「えっと、確か魔力と詠唱、その魔術の属性に適正があるかどうか、ですよね」


 ガドフが答える。


「その通り、魔術属性の適正は赤ん坊の時に教会でギフトの鑑定と共に行われる」


 今は魔術属性の適正がメインになっているが、元々はその赤ん坊にギフトがあるか神に聞くための儀式だったらしい。これは孤児でも貴族でも行える儀式だ、人の子は皆平等という神々の教えで儀式自体も神が直々に全員やらせるように命令したらしい。


 ちなみにギフト持ちは儀式をしたときに神々の像がそれぞれ持ってる松明やランタンなどの照明器具に祝福の光が灯る事で判明する。そして詳細なギフトの内容は大司教クラスの神官が神託の儀式を行うことで判明する。


 そして魔術属性は儀式を行う神官と儀式を受ける赤ん坊の真ん中に置かれた水晶に現れた色で判別する。


「魔術属性はその人の魂そのものだという者も居れば、魔力を染め上げるのが魔術属性だという者もいる。真相は闇の中だけどね」


「あ、あの。それで詠唱は何であるんですか?」


「あぁ、あれはいわば発動しやすくするものなんだ。

詠唱の極意はその魔術を想像することの補助と威力の底上げ、イメージを湧きやすくすることで魔術を顕現しやすくするんだよ」


「必要ではないと?」


「いや、魔力暴走の抑制という意味もあるらしい。私は神様が授けてくださった力を名を付けることで制御することが詠唱だと考えてる。で、私ぐらいになるとイメージすれば簡単な魔術は行使できるし、詠唱をアレンジしてその場その場にあった魔術に変えられるよ」


 私の個人的な見解だが「我が力よ」で自分の魔力を引き出して、「大いなる○となって」で属性を指定、そしてその後どうしたいかを後の詠唱で命令するのでは無いかと考えてる。


「あ、狼の魔物と戦ってるときのも?」


「その通り、《炎の波》の正しい詠唱は 我が力よ 大いなる炎となって 眼前の敵を飲み込め だからね。あの時は魔術を飲み込めるように敵を炎に言い換えたんだよ」


「では教えられてる詠唱は?」


「多分、詠唱を開発した大賢者が使ってたヤツを広めていったのが始まりだったんだろうね。世の中、自分で開発したオリジナルの魔術を使うのもいるし、《炎白華》も私が作ったやつだし」


「えっ..........」


「あれってそうだったんだ」


「規格外.........」


 オイコラガドフ..............。


「森で囲まれたときの範囲攻撃魔術として作ったんだよ、多分アレンジすれば他の属性でも使えると思うよ。あと何が規格外だ、一流魔術師なら切り札のオリジナル魔術ぐらい開発してるよ」


「へ、へぇ」


「とりあえずは各々の属性の盾で練習だな」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 日が高くなってきた、そろそろ切りあげるとしよう。昼食食べたら仕事だな。


「じゃあ今日はここまでにしよう、続きは暇を見つけてやろう」


「「「はい!」」」


 さぁて、帰って昼食を______


「そういえば領主様、昨日の叫びは何だったんですか?」


「そうそう、なんかメイドさんたちが忙しそうでしたよね?」


「お客様ですか?」


 .............嫌なことを思い出させるなぁ、この子らは


 まぁ、隠せることでは無いからいいか。


「...........昔アレクサンドラ家で家庭教師をしていた伯爵夫人がこっちに来るんだよ」


 シェリー・セリーブ伯爵夫人、詠唱などの魔術分野を大きく発展させた技術の開発を行った大賢者。その血を引くレチドール家出身で帝国有数の教育者である。そして私が幼少期だった頃、家庭教師としてアレクサンドラ家にやって来て私を含めた子供4人に作法や勉学を叩き込んだ人物である。

説明回難しい

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