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(プロローグ)夢で見た景色
……高い高い、突き立った山の頂上。
そこにあったのは、赤く染まった世界。
空はあざやかな赤色で彩られている。そんな空の下、風に吹かれる草原が一面、こちらも赤く赤く、炎の様な揺らめきで包まれている。
そんな、一面赤く染まった景色の真ん中で、赤に包まれて、わたしはそれを楽しげに眺めている。
見回す限りの、揺らめく美しい赤に彩られた景色の中、わたしは草原を足取り軽く歩いたり、見回したりして景色を楽しんでいる。
しばらく歩き回った後、わたしは山肌に寝そべって、眼下に広がる赤い景色を眺める。
そして、そのまま……いつまでも、いつまでも、赤い景色の中に身を委ねていた。