ステータス確認その1
光がおさまり視力が回復すると、目の前は見覚えのある教室ではなく、薄暗く広い部屋の中だった。
床には何やら幾何学的な模様が描いてあり、前には手と膝を床につき、苦しそうに呼吸をしている男が複数人いる。
その奥には、輝く宝石を服などの至る場所に付けたおっさんと同い年くらいのお淑やかそうな女の人が驚いた顔をして立っていた。
「まさか、神の秘術が本当に成功するとは…。なんと言うことだ。これで、これでやっと我が国は平和になるぞ!」
「お父様、秘術では1人が2人の召喚が限界と言われていたはずでは?」
「うむ。だか、召喚した者たちは全部で6人もおるぞ。おい!どうなっておるのだ!」
「はい、恐らく今回の召喚には、『外れ』がいるのではないでしょうか?一度ステータスとロールの確認をしてみた方が良いかと思われます。」
なんなんだ?このおっさん達は何を言ってるんだ?召喚?ここはどこだ?ステータス?ロール?何が何だか全くわからんぞ。
「お、おい。ここはどこなんだ?てか、おっさん達は誰なんだよ。意味わかんないこと言ってねーで説明してくれよ!」
「俊と同意見だ。ここはどこだ?お前達は誰だ?わかるように説明してくれ。」
まったくだ。納得のできる説明をしてくれるやつはいないのか?
「キサマ!国王様に向かってなんと言う口の聞き方を!」
「お待ち下さい。私が説明するのであなたは下がっててください。」
そうして、綺麗な女の人が前に出てきて説明をしてくれた。
大雑把に言われたことを説明するならこういう事だ。
どうやらここは地球とは違う世界らしい。
所謂、異世界転移ってやつだ。
で、あそこのおっさんが国王で説明してくれた女の人が王女だそうだ。
そして、俺たちがここに召喚された理由、それは魔王を倒して、侵攻を止めてほしいからだった。
あと、この世界では、1人1人にステータスとロールというものがある。
ステータスとは、自分の能力を表す数値で高いほど強いそうだ。
ロールとは簡単に言えば職業のようなものらしい。そして、そのロールによってステータスに補正がかかるというものだそうだ。剣士なら攻撃力に、魔術師なら魔力にという感じで。
ステータスは、心の中で「ステータスオープン」と言えば見れる。
いやー結構興奮してきたな。昔から本が好きでもちろんラノベも好きだったからこの手の話はすごくワクワクするぞ!
まさか異世界に召喚されるとはな。自分がとてつもなく強かったりするのか?ちょっと気になってきたな。ステータスを見てみるか。
よし!
『ステータスオープン』
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名前 直野煌誠
年齢 17歳
ロール 回復師
レベル 1
経験値 0
体力 31(+300)
攻撃力 15
魔力 610(+400)
耐久力 8
素早さ 23
運 545(+400)
スキル
回復魔法Lv.1
EXスキル
リザレクション
スキルポイント
100P
加護
生命神の加護
運命神の加護
聖教神の加護
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マジじゃんこれ!すげぇな。てか俺回復師かよ。まあ別に運動そんなに得意じゃないからいいけどさ。でも俺のステータス結構いい感じじゃね?他の奴らどんな感じなんだろう。
「皆さま、ステータスとロールの確認はできたでしょうか?できた方からこちらの台座に手をかざしてください。」
「お!じゃあ俺から行ってもいいか?ここにかざせばいいんだよな?」
佐藤がスキップで台座まで向かった。
そして、手をかざすと台座の上にいきなり、画像が浮き上がった。
ロール 剣聖
「おおっ!いきなり剣聖か!これは凄いぞ。ステータスも期待できそうだ!」
周りの兵士が興奮する。
「ん?ロールしか出てこねーじゃんかよ」
「大丈夫です。ここでステータスオープンと声に出して言ってください。」
先に言えよ。
「そうか、じゃあ。ステータスオープン」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
名前 佐藤俊
年齢 17歳
ロール 剣聖
レベル 1
経験値 0
体力 84
攻撃力 92(+100)
魔力 67
耐久力 74(+100)
素早さ 65
運 13
スキル
剣術Lv.10 剣聖術Lv.1
エクストラスキル
なし
スキルポイント
0P
加護
聖教神の加護
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ブッ!ておい!俺のステータス低いじゃねえかよ!勝ってるの加護ついてるやつだけじゃないか。まじかよ。
「素晴らしいですわ!俊様!我が国には剣聖は今1人しかいないですの。その方は騎士団長をやっているのでその方を師につけましょう!」
王女が俊の手をとってそう言った。
「お!マジか!俺強いのか?いやーこれは俺の異世界無双タイム始まっちゃうか?」
佐藤が顔を赤くして照れている。
「あんまり調子に乗るなよ?俊。俺の方が強いからな!俺のステータスを見て驚きやがれ!」
次は誰がと思っていたら笑いながら上機嫌で藤森が台座に向かっていった。
いろいろ修正しました。