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脅威9

 私みたいな子猫がまさか戦場を駆けずり回ってるとは思ってもみなかったのか、帝国兵はこちらを気にするけど手は出してこなかった

 まぁ子猫がまさか自分達を脅かすほどの脅威だなんて普通は思わないよ

 でもそれがこいつらの失態につながる。この国が何を崇め奉っているのか、その歴史や背景を知っている聡明な者なら警戒くらいはしたはずだよ

 つまり帝国はおのれの武力と戦力差で簡単にこちらを手中に納めれると考えているんだ

 まだ戦闘に参加してない兵たちは不思議そうに私が駆けていくのを見てる

 でも手は出してこない。そのおかげですいすいと皇帝が鎮座する敵陣地の中心まで来れた

「んにゅ、完全になめきってるにゃ」

 皇帝はもう勝ったと言わんばかりに偉そうにふんぞり返ってる

 その横には何人かの近衛兵らしき人達と、フードをかぶった三人のあやしい人たち

 私は走ってジャンプすると皇帝の首めがけて大爪を振り下ろした

「なっ!」

 皇帝は驚いて椅子から転げ落ちるけど、私は構わず爪を振り抜いた

 カキィン!

 激しい金属音がして見てみると、私の爪は近衛兵によって止められていた

 さすが洗練された近衛だ。一筋縄じゃ行かないな

「な、なんだこの猫は! 早く殺せ!」

 叫ぶ皇帝の声に反応して近衛は一斉に私に剣を振るった

 確かに振るスピードは速いし、当たれば一撃で死んじゃうだろうけど、このくらいの速度なら余裕で躱せる

 全てを躱されたことに驚いた近衛たちはすぐに二撃目三撃目を振るう

 無駄無駄、全部見えてるからね

 全てを華麗に躱しつつ、何人かの近衛を睡眠猫パンチによって眠らせることに成功

 続けざまにもう数人を痺れ猫パンチで動けなくした。睡眠も麻痺も丸二日は続くはず

 近衛兵をすべて戦闘不能にさせるといよいよ皇帝の番だ

 こいつだけは生かしては置けない

 爪を振り上げたところで私は背中に炎の塊を受けた

「ぎにゃぁ!!」

 ものすごく熱い。背中を襲った衝撃で息ができなくなったのと、火傷で痛くて動けない

「ふむ、ただの猫ではありませんねぇ。陛下、これは恐らくこの国の神獣とやらですよぉ」

 フードをかぶった三人のうちの一人が私をつまみ上げた

「ふむふむほほぉ。これは興味深いですねぇ。陛下、これは私にいただけませんかぁ? 面白い研究材料になりそうですよぉ」

「う、うむ、好きにするがよい」

「ほほほ、陛下の許可もいただいたことだしぃ。解剖した後は素晴らしい魔物に改良してあげましょうかねぇ」

 フードの男はいやらしそうに舌なめずりをしてる

 こいつが多分子供や何の罪もない人たちを改造して魔物やキメラにしたんだ

 許さない

 痛む背中に鞭打って私は精いっぱいもがいたけど、つまみあげられたせいなのか何故か魔法やスキルが発動しなかった

「無駄ですよぉ。私の手には魔法やスキルを阻害するための魔石が埋め込んであるんですよぉ。私自身も魔法は使えなくなりますがぁ。この体にはそんなもの必要ありませんからねぇ」

 フードを取った男は、ガララドと同じように角が生え、浅黒い皮膚をしてた

 こいつも、魔人!

「さてぇ、面白いものを拾えたのでぇ、私は先に失礼させてもらいますよぉ。陛下の護衛はこの二人がいれば大丈夫でしょうしぃ」

「な! 勝手に持ち場を離れる気か!」

 皇帝は怒ってるけど、そんなことも意に介さずに男は私を連れて行こうと転移用の門を召喚した

 こいつも転移が使えるのか

 このままじゃまずい。みんなを助けれなくなる

 暴れ続けたけど全然逃げれない

 もうすぐ門をくぐるというところで私の中にまたしてもスキルが浮かんできた

 大召喚陣

 これは今まで私に忠誠を誓った猫たちを召喚する陣を発生させるスキルみたいだ

 しかもこれ、私の体を通して使うスキルじゃないから、今のこの状態でも使える

「んにゃぁ! 大召喚陣!」

 すぐにそのスキルを使うと、目の前に大きな魔法陣が浮かび上がって、そこから大量の猫、猫魔物、獣人たちが現れて、そのうちの一匹である猫魔物が私を助け出した

 その数およそ三百匹

 ただの猫や猫魔物じゃない。この召喚陣から現れた猫たちはその能力が五倍にも強化される

 しかも普通の猫は私の眷属となって神性を帯び、魔法まで使えるようになるみたい

「みんにゃ! この国の人々を救うんだにゃ!」

 ンニャアアアアア!!!

 猫たちが一斉に雄たけびを上げると、彼らによる蹂躙が始まった

 もともと強い猫魔物はその能力を五倍に引き上げられたことで、歴戦の兵でもバタバタとなぎ倒していく

 これには魔人も驚いたようで、私を名残惜しそうに見ながらも転移門をくぐって逃げた

 他のフードをかぶったやつらも、皇帝を連れて行くことなくどこかへと消えてしまった

 あとに残された倒れている皇帝に私は近づいて行った

「まて、く、来るな! そうだ、お前に爵位をやろうじゃないか! 帝国に来れば何不自由なく暮らせるぞ! こんな貧弱な国にいるよりましだろう? か、金もやる! 好きな財宝もくれてやろう。どうだ? 悪い取引ではな」

 こんなやつの話なんて聞く耳持つだけ無駄だ

 私は爪で、皇帝の頭を切り落とした

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