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0979 なあーんにも / 失うもの
なあーんにもない
なあーんにもない
私だけ
そこにあるのは
なあーんにもない
それでも私は
幸せだった
望むものも
求めるものも
なあーんにもない
私はそうして
そこに存在しているだけで
十分に満足だったから
何も見えない
何も感じない
私を動かすものも
私を変えるものも
なあーんにもない
ああ私はそれでも
幸せだった
もうずっと
幸せだった
34-2.27-5.8
※※※※
時だけが
ほんの少し違う
昨日と今日
ああそれだけなのに
それがなんと大きな
違いをなしてしまったか
私の悲しみの
源になって
しまったことか
心あるならば
答えると良い
夢は現となり
現は悲しみとなり
失うものは多く
得るものは無い
なぜだろう
なぜだろう
私にとって
愛するもの以上に
失うべきものが
愛しいその訳は
34-2.27-5.14
あは、大きいのか小さいのか。まあなんとなく、なあんにも、と言いたい気分だったのでしょう。
最後の方のべしは、「意思」とか「当然」ではなく、「推量」や「予定」と取ってほしい。
現代は、前者の使い方ばかりかな。「すべき」とか。ここでは「失われてしかるべきもの」ではなく
「失われてしまうであろうもの」ぐらいの感じで。




