976/1484
0976 愛しい人よ
愛しい人よ
それは夢以上の夢
愛以上の愛
全てを超越せしもの
その非現実な存在を
私は甘んじて
受け入れよう
愛しい人よ
その名を呼び続けるために
声ならぬ声が
想いにならぬ想いが
たとえ私をいかように
苦しめたとて
それは問題ではない
存在はそれ自体
罪であり、苦痛であり
悲しみでもあるのだから
ああそれでも私は
存在し続ける
ただ愛しい人よ
その名を呼ぶために
呼び続けるために
34-2.27-5.10
.................
「あなた」の名は、ここでは語られない。
それでも、「私」は「あなた」の名を呼び続ける。
「愛しい人」という言葉は、「あなた」の名を記さないためのようなもの。




