931/1484
0931 なぜだろう / よく判るから
人の声がする
遠くから微かに
答えたいのに
語りたいのに
私はうめき声ひとつ
あげられない
なぜだろう
私は考える
私は何も持たない
そして失うものもない
怖れるものもない
忌むものもない
だのになぜ私は
変化を拒むのか
だのになぜ私は
何も行わないのか
ゆっくりと、しっかりと
声は歩み去り
再びの沈黙の中に
私は私の心の謎を
抱きしめている
34-2.27-3.2
※※※※※
語るのに
言葉はいらない
そんなものを
間に挟まなくとも
あなたの事が
私にはよおく
判るのだから
ああ、はてしない
大河の様な
過ぎ行く時
その中にあって
全てを与えるものとして
自らの過去を振り返る
ああ、それは夢だろうか
ああ、愛しい人よ
その想いゆえの力は
またなんと悲しみに満ち
ああ、そしてなんと
侘しいものだろう
お休み、今は静かに
全てを忘れてしまって
お休み
34-2.27-3.8
だのに、なぜ。私は自分に問いかける。
勿論答えは出やしない。
さすがに、「お休み」の題を繰り返すのははばかられる…




