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0906 冬の風 / 冬の朝
春風の声は
荒々しいまでの喜び
夏の風の声は
抗いがたい力強さ
そして秋の風の声は
寂しさと哀しさ
今窓を震わせ
唸り声をあげている
冬の風にあるのは
氷ついてしまうような
冷たさだけ
夜の闇の中で
共に舞いおどる雨粒
そして白い天上の使いも
その咆哮の内では
沈黙しているだけ
葉の落ちた木々の
こずえを鳴らし
ただあたりに
痛々しいまでの
冷たさをまき散らす
23-11.6-12.16
※※※※
空が白い
一面の雲
降り出すでなく
晴れ上がるでなく
ただ雲だけが
広がっている
そよ吹く風と
過ぎていく時と
はかないものと
降り出した雨は
空を黒く染めて
白から灰色に
それから黒く染めて
ああそれは
ただ悲しみの色
冬の色
そして風の色
太陽が見えない
光と影と
ああ、冬の朝
23-11.6-12.17
そして、冬の風と冬の雨
表現は寒々しいけれど、外はすっかり春。




