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0905 風
右側の欠けた月が
不安定に地平にかぶさり
星々が最後の
自己主張をしていて
ただ風だけが
冷たく悲し気な
声を上げて通り過ぎる
あてどなく時をさまよい
救うものもなく
救われるものもなく
ただ叫びを残して
道を行きすぎる
息が白い
風の想いを受ける
この顔は、その
激しさの丈に
思わず涙する
それは遠い悲しみ
はるかなはるかな想い
失われたものを
地の果てまでも
追わねばならないものの
23-11.6-12.14
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最初に出てくる月は主役ではなく、あくまで風がそれ。
私が泣くのは、風が泣いているから。
その旅路に幸は… きっとないんだろうなあ。




