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0899 判ってはもらえない
私にだって自分が
何なのかは
判らないのだから
ましてやあなたに私が
私の心の奥底に
隠してきたもの
そして置いてきたもの
それらをみな含めて
私という人間を
知る事はけっして
できないのだから
それは遠い遠い想い
だけれどとても近く
そして悲しい想い
風の吹く音は激しく
やがて雨粒も
落ちてくるだろう
けれど私の心は
けして潤う事は
ありはしないから
ああ、こんなにそばの
あなたがとても
遠く思えてくる
23-11.6-12.5
......
「私」はよく「あなた」の心が判らないというけれど。
「あなた」である「私」も自分の事を本当には理解していない。
人を理解するなんて、できる事ではないのだと。




