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0089 疲れた / めざめるあなた
疲れた
馬車馬じゃないのだから
目隠しをとって
周りを見てみたい
目の前の道は
どこまでも真っ直ぐ
伸びて行っているけれども
知らずに通り過ぎた
街道の
なんと多かったことか
休息を
しばしの幻でもいい
わきの草むらに
横になって
休んでいたい
全てを忘れて
しばしでいいから
07-10.28-10.30
※※※※
濃いもやのかかった朝
あなたの目を覚ますのは
日の光ですか それとも
顔に落ちる露なのですか
そしてあなたは
何を目にするのでしょう
あなたの姿は
霧の中では見えない
何も見えない
過去も未来も現在も
あなたの歩みは
疑わし気に
どこへ行くのですか
あなた自身を捜しに?
失われた昨日を捜しに?
泉のほとりで
あなたはその姿を写し
それは昨日のそれと同じ
違ってしまったのはあなたの心
あなたの心までも
写せる泉はない
07-10.28-12.13




