0827 一年が過ぎ
ああ、一年という時の
過ぎていってしまうのは
なんと早い事だろう
その短い時の間に
僕は何を得て
そして何を失い
何を想ってきたことか
そしてその間中に
君は僕の傍らに
居続けてくれた
君は僕にとっては
より身近なものとなった
僕自身とも呼べるほど
僕に近くなった
そしてだからこそ
過ぎていく時の中で
僕は失ってしまった
君の存在の大切さを
君への貴い気持ちを
既に幾年を数えて
そのあまりの長さは
語る事すらできぬほど
それほどの時の間に
人は変わらずにいられようか
そしてそれだのに
君という人だけは
けして変わりはしないのだ
ああ愛しい人よ
僕の貴い人よ
それでいて僕は
この手に何も持たない
僕は今や数々の
儀式の扉を開ける
鍵すらも失った
僕の手には今や
君の髪をかざる花も
君への贈り物も
何一つ持ってはいない
過ぎ去った時へと
恐れが僕には
何も感じられぬのだ
ああそれでも
過ぎ去りし時の重みと
君の大切さとは
僕の内でどこも
変わりはしないのだと
そして僕が今日の事を
いつしか思い出せば
そのおぞましさにきっと
心痛める事だろう
僕は何もしなかった
そして何も感じなかった
その事が僕と
僕の愛する者にとって
どんな意味を持つかを
ああでも時というものは
なんと自然で静かに
流れていくものなのだ
目を凝らしていなければ
本当に見失うほどに
静かに静かに
だからこそ僕はこうして
自分を失ってしまったのだ
そしていつの日かきっと
僕は僕を取り戻すだろう
それがどれほどに
遠い日であるのか
僕には未だ判らないが
君という存在が
そこにある限りは
けして失われることは無い
必然の出来事となるのだ
いつの日かまた
僕は君への贈り物を
この手に持って
君への愛と想いを
語るとともに
今日の非礼を
詫びる事だろう
いつの日かきっと
僕は君のために
失われた時の
代償を与える事だろう
今や僕には何も
かけて誓うものが
なくなってしまったが
それでも君をまだ確かに
愛しているのだから
確かに、心の内で
静かに愛しているから
僕は信じていられる
そしてその時にこそ
今一度僕は
今日という日の重みと
今日という日の意味を
考え直すだろう
そしてその日まで
今しばしの間
僕は何もかもを
忘れてしまおう
君がその事を
認めてくれるのならば
そして過ぎ行く時が
僕の想いというものを
今しばしの間
留めてくれるのならば
32-9.18-10.28
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一部一人称に私が混在していたので僕に統一
まあ要するに、懺悔の言の葉です




