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0820 愛しいものよ
愛しいものよ
あなたの名前を
口にすることは
私にとって
なんと甘美な
喜びであろう
そのたった一つの言葉が
どれほどまでに
私の心を乱すか
あなたはけして
知りはすまい
大きな湖の中に
墜ちた一葉は
それでも湖面に
なんと大きな
波紋を作る事だ
それは果てしなく
広がっていき
けして真に失われは
しないのだから
ああ、その美しさゆえの
哀しみをなんて
あなたは負っている事だ
それがどれほどに
私の心を苦しめるか
あなたけして
知りはすまい
ああ、愛しい人よ
その呼びかけは
されど虚ろに
私の中にこだまする
あなたのもとまで
届かせるには
なんと私は
力に欠ける事だ
ああ、愛しい人よ
32-9.18-10.8
大きな四部構成。でもそこまで整ってはいないなあ。
インパルス応答は、消え去りはしない。ゆえに、事象は連続したインパルス応答の重ね合わせで表現される…




