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0796 ささやく / なぜ?
愛をささやく
君の耳元で
君は笑ったまま
何も答えはしない
君は静かに
微笑を浮かべたまま
風が吹いてきて
君の長い髪を
攫って行こうとしても
それを留める事さえ
君はしないのだろう
君は黙ってただ
そこにいる
存在している
君は他のものに
働きかけようとはしない
ああそれなのに
なぜ僕は
君に魅せられてしまったのだ
14-2.11-3.8
※※※※
なぜ?
もう夜明けも近い
小鳥のさえずり
明るみかけた空
そしてもうしばらく
時が進めば
再び朝が
やってくることだろう
なぜ?
その単純な
自然現象に
なぜ?
その偉大な
自然現象に
そうして時が過ぎて
全てのものが
新しく生まれ変わる
14-2.11-3.19
問いが重なる。なぜ?
その問は答えを求めるものか、そうでないのか。




