0779 判らない / 壁 とフラグメント
判らない
悲しみや喜びや
全ての感情は
なぜこうも早く
消え去ってしまうのか
君を見つめることに
僕はなれたわけではない
君の存在が
僕の中で軽くなったわけではない
全ての事が、全てのものが
全ての時が、全ての夢が
時は流れる
今日は昨日になる
ただそれだけ
それだけの事が
ああ
10-5.16-7.21
※※※※
なぜだろう
君を見つめて
こんなに君が
そばにいるのに
それでも手が
届かない
君にほお寄せて
それでも君の
心には触れられない
そして君と僕とは
一体何のため
存在しているのか
その目的は
誰も答えられない
時が流れて
全てが変わって
僕の心も考え方も
みんな変わって
そうしてやっぱり
君には手が届かない
君との間には
いつも壁がある
10-5.16-7.22
※※※※
"あなた、なかなかの腕ね"
"あなたもよ"
"この前は0-0だったわね"
"今度は1-1から。まあそんなところね"
"とにかく、認めるわ。私はあなたを。あなたは私の'守りたい者'の一人よ"
"あら、あなたに'守りたい者'がいたの?"
"いたわ、もちろん。守りたい者が一人と、守らねばならない人が一人と。あなたと。そして'愛する'星が一つ"
"ねえ、あなた。'愛する'という言葉は、その人に全てを捧げてもいい時にだけ使うのよ。星に、だなんて"
"でもね。私の星には…… 私の同胞達がいるわ。何万もの同胞が。私は母星のためなら全てを捨ててもいいと思っている。この生命さえね。星に生まれしものの気持ちは、宙に生まれしものには判らない"
"あなたの星て、何処にあるの? 何系列の登録Noは?"
"言わないわよ、勿論。それはおそらくはただ一つの私の弱点ですもの"
"とにかく、認めてもらったことは感謝するわ。でも私はあなたをまだ認めない。あなたという人が判らないから。私は自身を認めた人間すべてを認められるほど心が広くないから"
"大いに結構。愛しい人。私だって、自分を認めない人間は誰も認めないなんて言う心の狭い人間じゃないもの。とにかく、私はあなたを気に入ったわ。それだけよ。あなたがどう思おうと、私はそう考えても良いはずよ。では、ともかくこれで失礼するわ。今回の勝利はあなたに譲ってあげる"
10-番外
これで、10番も終わり。しかたないので、フラグメントもつける。
出てくる人に連続性はあるのだけれど、まあ無視してやってください。
さて、今日は何かで埋めるしかないかな。




