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0765 満ちたる月 / 星々に問う

満ちたる月

薄雲に隠れて

夢追いし人々の

心至る所


弱々しいその光

静かなその歩み

それでいて闇の中では

最も強い存在


冷たき風強き時

その支配すべき時間(とき)

はるかに長く

花が咲き暖かき今

強き昼の光は

夜の闇を脅かす


その輝きは

時とともに薄れゆき

いつしか日の光の中

その影さえも

消されてしまう

輝けるのは今一時


10-5.16-6.6


※※※※


我が頭上に

輝ける星々よ

答えたまえ

我が問いに


我の選びし道に

誤りは無きや

我の歩みの内に

誤りは無きや


星々のいらへて曰く

我々天命をつかさどり

汝の歩みし姿を

長きに渡り見続けたり


されど我等は

汝の問いに答えるを得ず

なんとなれば

人には運命(さだめ)無きがゆえに

歩むべき絶対の

道在らざるゆえに


汝がいかなる道を取り

いかなる所へ至ろうと

それに比しうる汝の生は

もはやないのだから


10-5.16-6.8

月と星。人を超越するものでも、それは万能にはあらず。

その命は長くても、けして永遠ではなく。

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