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0763 指のすき間から失われるもの
私の手からこぼれ落ちる
サラサラと音を立てて
私の指をすり抜ける
今という一時が
私が作った砂の塔
風が吹いて消えた
私が作った砂の城
波が打ち寄せて壊した
そして私が築いてきた自分
私だけの思い出、私の夢
みんなみんな
時が流し去ってしまった
この腕の中から
時と一緒に
この心から消えていく
今の"私"が
私はたえず変わって行き
何もかもが変わって行き
昔の夢はもう見られない
私の中から私の守りたいものを
時が全て流し去ってしまったら
私には何が残るのだろう
私はどうなってしまうのだろう
10-5.16-6.15
変わるという事に対する恐れ。
今のままでいたいと思っても、それは叶わぬこと。




