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0744 海
目の前の大海原
ゆるく大きなうねり
一度来てみたかった
夏の喧騒の前の
春の終わりに
つま先に当たった貝殻
拾い上げて
思い切り投げる
海に生まれしものは
一時空を飛び
再び海の中に消える
全ての物を飲み込むような
大きな大きな海
暗く曇った空も
包み込んでしまいそうな
私の心も包んでくれるだろうか
私の身体も迎えてくれるだろうか
私は来てみたかった
人影もない浜辺に
そして私は靴を脱ぎ
母なる海をこの手に受ける
09-3.6-5.5
..
さて。「私」はこの後どうしたのでしょうね。




