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0733 日が沈む
ゆるい坂道を
ずっとずっと下っていった
落日の赤い日に
染められながら
音もない一時
虫も鳥も草花も人も
じっと黙って
日の落ちるのを
見つめ続けていた
明日それがまた
昇ってくることを信じながら
道のはるか先方に
日は最後の片鱗を隠した
やがて闇が忍び寄り
再び日が昇るまで
夜の支配する時となるのだろう
草花はまたささやき始め
風がわずかにそよぎだし
虫も声を立てはじめた
西の空は赤いけれど
日はもうない
やがてその赤も消え
闇がやってくるのだろう
09-3.6-4.11
ここしばらくは、光より闇の季節……




