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0719 出立 / 底に残ったもの
そうして僕は
一歩踏み出す
振り返りながら
懐かしき地を捨て
未知の地へと
一歩踏み出す
時が僕を導き
それに従い
僕は歩む
留まることは
けして許されない
判ってはいるけれど
しばらく
足踏みをしていた
この地への愛情
ああ
出発の時は来た
未知なる世界が
僕を迎えてくれる
きっと
09-3.6-3.18
※※※※
私のパンドラの箱
蓋を開けたとたんに
全ての害悪が飛び出して
そしてその底には
希望という宝石が……
残っていなかったのよ
あったのは、そう
悲しみと後悔という
美しい石
涙の様に淡くて
それでいて
けして消え去る事無く……
私のそれを
胸にいだくの
そうしたら、全ての事に
耐えられるでしょうから
だって
これ以上悲しみは
得ようもないから
09-3.6-3.19
その旅立ちが、幸多きものでありますように
底に希望が残る、なんていういい話は、なかなかないのです




