0606 扉を開いて とフラグメントの4
扉の鍵は開かれた
押しさえすれば
一歩踏み出しさえすれば
全ての道は開け
見えなかったものが
目に入るようになるだろう
ああしかし
その変化によって
今まで得ていたものを
すべて失ってしまうのだ
一歩踏み出せば
もう後戻りは許されず
振り返る事すら
認められはしないだろう
それでも僕は
その扉に手を掛けよう
迷いを断ち切り一息で
未来への扉を開いてしまおう
08-1.1-3.5
※※※※
"君を、彼女は止めなかったのか"
"え、ええ。隊長は止めましたけれど。でもあの後ほんの少しで
相手は落ちる所だったんです。だから、私。それに
私にはシールドがありますし、大丈夫だと思ったんです。
それは、隊長の指示に逆らうのが良くないっていうのは
判っています。でもあの場合は……"
"君は、それでは自分のシールドだけで自分の身を守っていたと
思っているのか?"
"え、どういう意味ですか?"
"君のような未熟なESPのシールドごとき、何の役に立つ?"
"でも、現に……"
"彼女が庇っていたのだよ。おそらく反ESPシールドが
張られていたんだろう。その中で君をかばって、自分の
守りがおろそかになって…… ブースターをやられたんだ"
"でも、え、隊長はESPだったんですか? 知らなかった"
"ふ、彼女と比べれば、君の力など赤子同然だ"
08-番外
これで、08番も終わり。このころは、まだきれいに書こうという意思があったから、読めないのが無かったな。
扉を開いて、というと、確か新井素子先生の作品のタイトルにあったなあ。
これは前向き。まあ実際、そういう時に書いたものなのでした。
フラグメントは、3の別視点というやつかな。まあ、そういうものです。
大きな世界は失われ、その破片のみ残っている、みたいな。
ごくごく大まかな流れはまだ覚えてないでもないんですが、そんなもん形にもできるわけなく。
ここに埋めていくと。




