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0601 忘却の砂漠
荒涼とした
忘却の砂漠の中に
埋もれてしまった時計
その記憶の内は
真っ赤にさびてしまい
時を刻む音は
もはや伝わってこない
ときに薄日が差し
あとは暗黒に覆われる
その砂漠には
もはや時は存在しない
全てを飲み込む虚無が
あるだけなのだ
そこに見えるものは
本当に存在しているのか
それともはるか昔の
姿―幻影なのか
そこでは時は流れない
時計の針も凍り付いたまま
他に動くものなどない
08-1.1-2.28
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忘れられたものが流れつく所。荒涼として、虚無しかないところ。
私はその中にいるのか。それとも外から眺めているのか。




