576/1484
0576 夜に二人 / 君の瞳
静かだね
月の光の降る音
星々の動く気配
道を行く影の足音
そして人の声は
僕のと君のだけ
明るい闇と
止まった時と
ここに存在するのは
僕と君だけ
発する言葉は
一時後には
四方に散らばって
時を超えてしまうだろう
心さえも
時の河が流してしまうだろう
でも今だけは
全てが留まり
時が留まり
静けさと……
あるのは僕と君だけ
08-1.1-1.25
※※※※
君の瞳の中
僕は何を見よう
君の心の窓
そこから顔を出すのは
君の心の鏡
そしてまた
僕の心も写し出す
その茶色の瞳
何を見つめている
遠く遠く遠く
僕を超え、時を超え
はるかなかなた
未だ至らぬところを
思い描いている瞳
時の流れすら
感じられない
変わらない君の瞳
変わらない君の心
それなのに
周りは全て変わってしまう
08-1.1-1.26
二人でいる夜。
あるいは、そこで見つめる君の瞳。




