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0005 旅人 / 冬の夕暮れ
夢を追う旅人は
川面に浮かぶ
枯葉のように
留まることを知らず
移り変わる景色に
目をとられているうちに
時は流れてしまう
ああ あのころ
はるかな昔
二度と手に入らない過去
今はどこに
誰も知らない
心の片隅の
小さな思い出
しぶきにもまれて
疲れ切った木の葉の
至る所はどこ?
何もかも忘れて
流れの中で
砕け散ってしまうのは
いったいいつのこと?
07-10.28-11.14
※※※※
はるかな昔
何年も何十年も前
今日と同じような日暮れが
あったのでしょうか
弱弱しい冬の日は
白いカーテンを紅く染め
冷たい北風は
それを軽く揺らし
開け放たれた窓の
奥では暖炉が燃え
はぜる火が部屋を暖め
それなのにそこにはいられず
テラスに出ていて
流す涙を風の手に任せて
立ち尽くしていた人がいたのは
葉の落ちた木々の間に
沈んでいく日を眺めながら
何かを思って
ただたたずんでいた人がいたのは
夕日が昔と変わらないように
人の悲しみも昔と同じなのでしょうか
07-10.28-11.15
これは塚のかなり上の方
と思っていたけど、十分下の方でした




