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0038 夜明け 二題
已に闇は去り
鳥の鳴がひびく
時計の針は廻り
人々はゆっくりと
活動を始める
だんだんと
本当にだんだんと
外は明るくなっていき
時と夢とが
去っていく
一日の夜、眠りから
そしてそれは二度と
そのままの形では
手に入れることはない
もしひとたび
失われてしまったなら
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あまりにすみきった
淡い淡い青い色
夜の闇が失われる前の
日の光が出ずる前の
不安定な一瞬
微妙な力のバランス
小鳥たちの鳴き声に
乗ってでもいるかのように
あまりにもはずかしくて
それでもそれはたしかに
そこに存在していて
今この一時は
少なくとも
そう少なくとも今は
この一時が
まるで永遠に
続きそうだと思えるのだ
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