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0020 君と出会った日に

『設定』に基づくと、こんな感じになっちゃいます。

かなり長いのでスキップも推奨。

また一年が過ぎた

また一年が過去となった

君と築いてきた日々が

思い出の中に没した


君を飾る花は

去年と同じ花

でも決して同じものではない

去年君を飾った花は

大切に心の中にしまわれている


変わらぬのは君一人

一年前と君はどこも変わっていない

それに比して

僕の何と変わってしまったこと

もう前だけを見続けて

歩くことは出来なくなってしまった

後ろを振り返りながら

思い出を抱きしめながら

立ち上がりつつ歩くだけ

君が手を引いてくれて

いるというのに

悲しむべきこと?

それとも……


人は時計を止めなければ

変わらざるを得ないもの

そして僕には当分

この時計を止められそうもない

まもなく

 ―本当にもうすぐ―

僕はまた一つ歳をとり

初めて出会った時から

歳の差が二つ開く


日々は過ぎ去って

お互いの心の中に

積み重なっていく

昔の僕、昔の君

あの時の幸せ

それてそれが二度と

この手に戻らないことを

知っているこそ

なおさら悲しい


引き返すことはできやしない

かといって前を見ないわけでもない

いや過去と未来に縛られて

前よりも一層

現在に生きているのだろうか

生きていることのむなしさと

時の過ぎる悲しさを

前よりもはっきりと

認識しているからなのだろうか


かつて情熱以外の

全ての愛を否定した僕

さめるまでの一時の

愛のみが真実だとした僕

それでも今僕は

 ―おそらく理性として―

君を愛している

かつて否定したものに

今は頼っているのだろうか


僕には昨年の僕が見えない

人は自分の周りしか

見ることができないと

言うけれども

ああ!

一年前の自分が見えないとは


僕は今

昔のようにはこの日が来たことを

喜ぶことは出来ない

昔のように君に

激しく愛を語ることができない

でも

今僕はここにいて

生きていて

そして君が傍らにいて

時は過ぎていくけれど

僕は君を愛していて

明日がどうかは判らない

明後日がどうかは判らない

だけれども

今僕はこうして

君を愛している

今こうして


口づけをひとつ

口づけをふたつ

君の頬に 君の髪に

今しか見えない僕が

今君を愛している

君を飾る花も

やがてはしおれることだろう

けれども

僕が君を愛している限りは

失われてしまうことはない

去年のそれが

いまだに残っているように


君の耳元にささやこう

君を愛していると

かつては大声で言えたこと

今はもう恥ずかしい

少しずつ年を取って

少しずつ分別臭くなって

少しずつ僕は変わって

それでも僕の過去は

君を愛していたことは

君へ捧げた愛は

どこも変わりはしない

そして今の僕の愛も


僕は確認しよう

情熱失われた今も

僕が君を愛していることを

そうしたら

過ごしてきた月日にも

感謝できるだろう

君に月日に

今まで君を愛し続けられたことを


今日が過ぎ去り

今日君を愛していたことは

もう動くことがない

そういう日々が一年

積み重なったことに

やはり僕は感謝をしよう

三年目を迎えるこの日に


四年目を迎える日

先のことはどうなっているか

僕には判らない

そう あるのは今日だけ

一年前とここだけは

変わっていない僕の心

そして

君を

君への愛を

君との思い出を

大切にする心も

また昔と同じ


07-10.28-10.28

とある日に、自分が変わってしまっているのを認識しつつ、それでも愛をささやくと。

まあ、こんなのはそうめったにないです。一年にいっぺんぐらい?

次回は多分元に戻ると。

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― 新着の感想 ―
[一言] >とある日に、自分が変わってしまっているのを認識しつつ、それでも愛をささやくと。 ああ何かわかります。 時の流れは残酷ですよね。
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