0019 変わらないものへ と設定の話
時の中に立ち止まって
あなたは何を待っているのです
全ての生けるものを
時が廻らせている間
あなたは同じところに立って
何を見つめているのですか
変わらないあなたの目に
私たちは一体
どんな風に写っているのでしょう
私たちは運命に従って生き
定められた時を過ごす
あなたは一歩離れて
それを見ている
私たちが見ているのとは
異なった風に
一寸でもいいです
私たちと共に時を廻ったら
あなたにも見えるでしょうに
あなたにも判るでしょうに
死すべき私たちの
本当の姿が
07-10.28-12.9
この機会に一つ。
ここで書いているもののわりと一貫したテーマとして「時の外」にいる「あなた/君」というものがあります。「私/僕」にとって、「あなた/君」は不変のシンボルであり、それがゆえに自らの時の流れと、それに伴う自身の変質を「不実」であるとして恐れています。このため、「私/僕」は「時」と「変化」をたびたび語ることになります。また、「私/僕」が「夢」を語るのは、「あなた/君」に会えるのがそこだけ、ということも関係しているかもしれません。
という『設定』があります。あくまで設定、という設定です。
この設定を覚えておいていただければ、今後の内容の偏りや、「私/僕」の嘆きについて少しだけよくご理解いただけるかもしれません。
もちろん、すべての「あなた/君」が時の外にいるわけではないので、悪しからず。
それは、全く別の人かもしれませんし、あるいは同じ時の中にいたころの「あなた/君」なのかもしれません。
ちなみに、このフラグメントの「あなた」の立ち位置は、例えばメリーベルや
エドガーのそれと似たものでありそうです。




