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0185 夜ふけに思う
誰も一言たりと
喋るものはない
夜の静けさの中
時計の音だけが
やけにうつろに響く
閉じられた目の内に
そして心の中に
失われたものが
蘇ってくる
過ぎ去りし時と
別れたあの人と
流された涙と
風が出てきたみたい
荒々しいうなり
どこまでも心惹く
危険だと知りつつも
それはまるで
あの人の様に
近寄ってはいけないと
知っていながら
なぜか離れられない
そんなあの人のような
でもいつかは私のもとを
何も言わずに去っていき
二度とは戻ってこないの
あの人も時も
吹きすさぶ風も
夜は静かに更けて
私の眠りの中に
19-1.23-2.3
危険なものに心惹かれるのは、人の性
そして往々にして破滅をもたらしてしまうのです
そういえばね。時計の音が響くのは。まあ、時代です。
時計の針も、時代です。
スマホを見て時刻確認は、わびしいです。




