164/1484
0164 雨の中で
いつまでも、いつまでも
降りやまぬ雨の音
冷たい湿った風
そして夜の闇
濡れた私のほお
遠くの明りは
色とりどりにけぶって
それは雨のせい?
それとも……?
降り続く雨
砂時計の砂の様に
一粒雨が落ちると
少し時が進む
"今"という時は
雨のかすみの中に
ぼやけて消えてしまう
差し出された手に
雨は軽く降りかかり
そして指の間を
するりとぬけてしまう
どんなにつかまえようとしても
留めることのできない
それはあなたの心
そして私は雨の中
私の涙でこごえてしまう
20-4.6-5.16




