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1459 愛しいもの / 調和
夜の暗さ
風の冷たさ
そして静けさ
それらはみな
昼と正反対の
姿をしている
そしてそれと
同じほどに
愛おしいもの
ああ、人はなぜ
かくも違うものに
ともに心魅かれるのか
なぜに苦しいほどに
心裂かれるほどに
多くのものを
愛してしまうのだろう
そして愛してしまったものは
なぜこの心から
離れてくれないのだろう
愛しいもの
愛しい人
だれよりも愛しい
あなた
43-12.4-12.4
※※※※
世界は人を
包み込んでいる
全てを包んでいるから
それは世界であり
世界と独立した
存在であるから
それは個人なわけで
そしてそれでもそこに
確かにある種の
調和が存在している事を
誰も否定する事なぞ
できないだろう
それこそが最も
美しい存在であることも
それこそがただ一つの
真実であることも
43-12.4-12.5
43番。
二つの異なるものに心惹かれる。そして、なにより心惹かれるのは他ならない人。
人が異物でなく、世界の一部として調和をもって存在する。
そうなれたなら。




