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1406 遠い人 / 運命
あなたの事を
想っているから
あなたの話を
聞くという
ただそれだけのことが
どれほどまでに
嬉しい事か
そしてまた
どれほどまでに
悲しい事か
想っているのに
手を差し出せない
求めているのに
与えられない
それはなんと
悲しい事だろう
ああ
あなたはあまりに
遠いものだから
とてもとても
遠いものだから
私はとても
悲しいのです
31-7.24-9.8
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力尽きる前に
何を成すべきか
せめてそれだけは
知っておきたい
自らすべき事を
すべきでありながら
成し遂げられなかった
もろもろの事を
今私は時を失い
そして自由を失い
一体後に何が
残ってくれるのだろう
私はそれすらも
知りはしないのだ
そしてその方が
破滅への道を
歩いていくのには
かえって好都合だと
私は知っている
ああ、定められた
運命という名の
魔性のものよ
31-7.24-9.11
時が進むと、なかなか何も考えずに「好きだ」という事が出来なくなってくるのです。
逆らえずやってくる結末なら、何も知らない方が幸せ、という事はあるのかも。
知ってしまってから終わるまでの苦しみ、というのはいかばかりかと。




