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1286 何の名で呼ぼうと
君を二つの名で呼ぶ事が
どれほどの意味を持とう
恋人の名でか、女神の名でか
いずれの名を用いても
君は君でしかないのに
窓辺のこおろぎをなんの名で呼ぼうと
その美しい声は変わりはしない様に
たとえあの半月を太陽と呼ぼうと
その冷たい光は変わりはしない様に
君という存在はけして
君の名には拠らないはずなのに
君をこの手にいだく事は許されないのか
いや、僕がこの手にいだいているのは
君の幻影でしかないのだろうか
そんなはずはない、けしてありえない
いや、どちらでもいいのかもしれない
僕にとってこの手に中にいる君が
全てなのだから
そういう君だけを僕は
愛しているのだから
11-7.23-8.26
それは、もちろんロミオとジュリエットを基に。
名前によらない存在。たとえ幻影であっても、今ここにある存在こそを愛していると。




