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0127 序章
夜、全く意識しない目覚め
周りは暗闇、そして林
道はなく、どこからか鳥の羽音
行くべきところもなく 行く術もなく
ただ立ち上がり、さまよう
全てのものがその内に
光を押し隠してしまう
夜の冷たい風が頬を撫で
進んでいるのか、廻っているのか
かすかに聞こえるのはせせらぎ
得るべきものも無かろうに
足は自然とそちらを向く
林の間を抜け、川面に
時と運命と忘却の川に
月の光を照り返し
揺れているのは川の水
留まらず流れていくだけ
上がった飛沫もまた戻り
何ものも逆らい得ぬ
目にするは自分
02-10.28-1.18
6部構成です
端的に言うと、ここで前に出た「月光」をふくらましたものになります。
一月ぐらい後のものですね。




