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1240 そして想い出に
また一年が流れた
僕と君の傍らを
これから僕たちが
目を閉じれば
その最後の一日が
完全に区切られる
そうしてまた一年という
大いなる過去が
思い出として
出来上がるのだ
僕達の心の内に
僕達がつけた
最初の一歩は
今ははるか
手の届きがたい
深い所に
それでもそれはけして
失われたわけではない
僕達が僕たちの過去を
覚えているならば
そうしてまた一年が
過去の名で呼ばれる
動く事のない
定まった時間として
ああ、そう
そしてまた君は
一年僕の傍らに
いてくれたのだ
愛しい人よ
君は優しすぎて
僕にはほとんど
存在を感じさせない
それでも君は
いつでも僕のそばに
いてくれる
僕が気付きさえすれば
だから、さあ、お休み
今日という一日を
この一年という月日を
思い出にするために
17-9.14-10.27
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30s/君/あなた/
そして、前日の話。




