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1168 雲間の月
ほんの少しだけ
雲のすき間から
月が見えます
血の色をした
細い細い月が
再び目をやると
そこには何もない
再び黒い闇
何が真実で
何がそうでないか
定める術も
やはりなくて
そこにあるのが
月なのか雲なのか
それとも黒い闇なのか
それは誰にも
判りはしないから
きっと夜が明ければ
全てを明らかにする
光がこの世を包めば
そうしたらきっと
何もかもが判るはず
もう少しだけ待てば……
21-6.17-8.10
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まだ夜に入ったばかりだろうから。
夜明けまでには時間があるのですよ。




