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1147 愛しきものよ / 月
愛しきものよ
なれの濃き色の
瞳に映るものが
ただ我の
姿のみならば
それは無上の喜び
されどなれが心
なれが想いははるか
なれの体に
我が指は届くとも
なれの心に
我が心は
触れ合う事も
許されず
なれの想いを
追いつつも
手に入れられはせず
そはかなし……
なれの求めるものは
何処にありや
なれの想いは
何をか求むる
21-6.17-7.11
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もう夜も
あけ始めたのか
空の明るさ
月の光
深く青い空に
白く輝く月
右のはじが
わずかに欠けて
明日の今頃は
空のもっと高い所に
上がっているのだろう
病める光を
地上に送り出して
その青白き光で
街を包んでしまう
日が昇る
ほんの少し前の
薄明りの中
鳥まだ鳴かず
時定まらぬ
二つの時の間に
輝ける月
21-6.17-7.14
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s/右/左/
言葉を変えても。指は届いても心は届かない。という話。
夜明けにかかる月。明日高くなるなら、それは西の空に。
満月を過ぎた月。だからかけているのは左ではなく右のはず。
というわけで、原文を修正。




