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1146 月の光のもとで
月の光の中に
女神の冷たい
微笑みの中に
あなたの姿を
目にしました
夜の静けさ
さめやらぬ
熱気にもかかわらず
なにもかもが
氷ついてしまうほどの
動くものなく
あるのはたださんさんと
降りそそぐ月の光
青白い病める光
そしてその不安定な
美しさのもとで
なんとあなたは
澄んで見えた事か
氷細工のように
冷たく透明で
そして繊細で
いつかは失われる事が
判っているからこそ
なお物悲しい
あなたのその儚さは
この不可思議な
夜という時の中で
輝いてさえ
見えたのでした
青白い光
月の女神が地上に
降りて来たのかと
思えるほどに
ああ!
他に何も動くものは無く
ただあなただけが
夜の風に向かって
踊り続けていました
自らの体を
あまりにも儚く
輝かせて
静かに、静かに
けれどけして
夢ではなく……
21-6.17-7.10
夜に一人踊る人を見た。
そんな感じ。




