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0107 宝石箱
昔、何も知らなかったころ
知らぬが故に夢を見て
希望という名の宝石も
心の箱の中、たくさんつまっていた
時は流れ、色々なことを知り
知ったがゆえに夢はさめ
いつしか宝石にも陰りが出て
失われていった、心から
時の流れが流し去った
はるかな過去へ、輝きを
いまはそれらもただの石
もう誰の目を引くこともなく
ああだけれど、輝きは本当に失われたのか
変わったのは宝石? それとも箱?
美しい夢からだんだんと醒めていき
美しさを感じる心が失われていったのでは?
全てが輝いて見えたあの頃
今あるものは何も持っていなかったけれど
失われたものをたくさん持っていた
今は帰ることのない幼い日々
01-8.5-9319




