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1063 一つ角の王 / 守られし乙女よ
背が寒くなるほど
美しい乙女よ
そう声をかける事を
あなたのその
一つ角の飾りが
拒むのだ
一つ角の長よ
みだりに手を触れたら
この心ごとその角で
刺しぬかれてしまうだろう
一つ角の王よ
お前の守るものは
あまりに美しい
お前の守るものを
お前も愛しているのか
他の何物をも
近づけないほどに
愛しているのか
一つ角の王よ
12-9.26-11.20
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一つ角の飾りを
身に着ける乙女よ
足取りも軽く
歩むその姿
どうして心動かさず
いられようか
蝶のように舞い
小鳥のように歌い
そしてその心は
一つ角が守り続ける
僕には手を触れる事も
できはしないのか
いや他の誰にも
叶いはしない事だ
手を触れたならば
壊れてしまうに違いない
余りに脆いその姿
それでいてそれでいて
想わずにはいられない
一つ角の飾りを
身に着けた乙女よ
12-9.26-11.22
何度か出てきている一つ角の話。守るものと、守られるもの。
0278は、これからひと月ぐらい後に書いたものか。
これで12番も終わり。7割がた道行きを来た、というところ。




