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1060 最後まで / 変わらぬひと
命尽きようとするものに
なおもとどまる美
はかなく逃げる
香りのように
その息吹は少しずつ
弱まっては行くけれど
ああそれでもその美しさは
最後の一時まで
きっと留まるのだろう
ひとひらずつ
その花弁は散り
色さえも
褪せていって
それでもなお
美しさが消え去ってしまう事は
けしてない
ああそれが永遠に
続くものならば
不死なるものの美が
得られたなら!
12-9.26-11.13
※※※※
もう寒い、本当に
木々は色づき
影は長く
人々の服も
いつのまにか
厚くなってきた
一つの時が逝き
一つの時が来て
そしてカレンダーは
また一枚めくられる
全てが様変わりする中で
時の中で流されて行き
一つ所に留まらない
そういうものの中で
君はけして
自分を変える事はしない
その清い瞳も
長い髪も、そして
その心さえも
初めて会った時と
どこも変わりやしない
12-9.26-11.19
変わらぬあなた




