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1051 惑い / 晩秋
夢は破れ
時は過ぎ
もう元へ帰る術も
ありはしないのに
道に迷ってしまい
いくつもに
枝分かれした
洞窟の中で
選択はもはや
できはしない
そんな力など
もう残されてはいない
全てのものは
下降する
下へ、下へ
それを大地が支えている
12-9.26-10.15
※※※※
風が冷たい
息が白い
冬がもう
すぐそこまで
日の光が
なんとあたたかな
それでいてあまりにも
弱々しい
木々の葉は
色づき
また
散り始めて
通りもなぜか
さみしく見える
そして不毛の
季節来たりて
時が流れて
一年が過ぎて
再び春が
廻り来るまで
12-9.26-10.17
まあ、秋はただでさえ物寂しい季節なのに。




