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誰得ボーイズラブ!?

BL展開まったなし。

【冒険者の町】温泉からの帰路

 

「つんつん…いじいじ…」


「あはは!くすぐったいよミア~」


ボクとミアは温泉の後、宿屋に向けて帰っているところだ。

ボクはミアを肩車しているのだけど…

さっきからミアはボクの頭のアホ毛で遊んでいる。


猫じゃらしの代わりなのかな?


「あはは、ねぇミア。温泉気持ちよかった?」


「うん!きもちよかった!」


「そっか!また行きたいね!」


今は気温的に春なのか、涼しい夜風が肌に当たって気持ちいい。

宿に戻ったらぐっすり寝られそうだ。


「セルティさんには今度お詫びに何かプレゼントしよう…。」


「セルティはね~おかしがすきっていってたよ!」


「おお!そうなんだ!教えてくれてありがとうミア!」


「んふふ~」


それじゃ今度お菓子いっぱいプレゼントしなきゃ。

セルティさん、怒った顔も可愛かったなぁ。

教えてくれたミアにもお菓子をあげよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【宿屋鷲の羽】寝室


「すぅ…すぅ…」


「あっという間に寝ちゃった。おやすみ、ミア。」


ボクはミアを寝かせた後、窓際のイスに腰掛けていた。

時刻はちょうど夜の9時だ。


「まだ眠くないし、特殊スキルっていうのが何なのか確かめたいな…。」


しかしどうしたものか…。

確か僕の特殊スキルは【設計】だ。

【設計】ってどんな効果なんだ…?


「唱えたらできるのかな…。スキル【設計】発動!・・・」


何も起こらない。


「おほん…////う~ん…。集中したらいけるとか?」


ボクは壁にかけられた異世界の時計に意識を集中させた。

時計を見つめて、その構造がどのようになっているのかを考える。


「------わわ!?」


時計を構成する部品・素材・魔方陣・性質が視界に表示された。

さらに…この時計の構造が手に取るように解る。


「こ、これって…素材さえあれば…何でもつくれるってこと…?」


ボクは試しに壁の時計を分解してみることにした。

時計のつくり方だけじゃなく、分解の仕方も簡単にわかる。


「おお…見事にバラバラに…。これで直せなかったらセルティさんに怒られちゃうぞ…。」


心配は杞憂に終わった。

組み立てはすぐに終了した。

さらに噛み合わせの悪くなった部品などを再調整したので修理までしちゃった。


「便利なスキルだ…。見たものを理解して、なんでもつくることができるのか…。」


ーーーでも、それだけじゃない気がする。


「例えば…ピアノ…とかつくれるのかな?」


ボクはピアノをイメージした。


「-----!わぁ…ピアノってこうやってできてたんだ…。」


ピアノもつくれるみたいだ。

気が向いたら作ってみたい。


これはかなり面白いことになった。

イメージできるものなら、何でも作ることができるんだ。

じゃあ…もしかして。

元の世界に帰るための装置も作れるんじゃないか…。


「…これは……」


【魔素不足により不可能】


どうやらこの世界のエネルギーである魔素が足りないらしい。

つまり…どうやっても帰れない。


「そっか…。」


ーーーーーー帰れない。


「みんな…ボクがいなくなったらどうするんだろう…。」


きっと長期間連絡がつかなくなったら、心配した母が気づくだろう。

そうして警察沙汰になって捜索しても見つからなくて…。


家族がみんな凄く悲しむかもしれない。

少ないけど友達もいる。

みんないい奴だから必死に探すかもしれない。


「…すぅ…はぁ~…よっし!」


だけど、無理なものは無理なんだ。

うだうだ考えても仕方ないじゃないか。


「腹をくくろう。むしろ早いうちに判って良かった。それに…」


「すぅ…すぅ…」


「やるべきことがある。」


ボクはそう呟いて、すやすやと眠るミアを見て微笑んだ。

なんだかスッキリした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌朝ボクは朝の6時に目が覚めた。

昨夜は10時には寝たからかなり気持ちがいい。


「ん~~~いい朝だ!っとトイレトイレ~…」


この世界はかなり生活水準が高く元の世界とかなり近い。

トイレは洋式で水も自動で流れてくる。

スキル【設計】で確認したら、水を送り出す魔法陣が使用された

この世界独自の水洗トイレとなっていた。


「魔法があるから、科学文明が発展してないのかな?」


ボクはふとトイレに座りながらそうつぶやいた。

ちなみにボクは小も座ってトイレする。

実家が女系家族だったのでトイレマナーは徹底されていたのだ。


「さてと、今日からちょっとトレーニングだ。」


ボクは少しでも身体を鍛えておこうと考えたのだ。

この先何が起きるかわからない、体力はあるに越したことはない。


「すぅ…すぅ…むにゃ…」


「ミアはまだ寝てるだろうけど、一応書置きしておこう。」


ボクはまだこの世界の文字があまり読めないけど

簡単に文字をミアから教えてもらった。

あいうえお表みたいなものを作っておいた。


「え~っと、【ちょっとはしってくるね、すぐかえるよ】っと。」


ボクは1時間ほど早朝のトレーニングをした後、宿の部屋に戻ってきた。

ボクはそのまま室内のシャワーを浴びる。

ちなみに湯船はないので、入りたいときは温泉に行こうと思う。


そろそろ7時過ぎだ。空は少しづつ明るくなってきている。


「りゅぅ…おはよ~」


「おはようミア」


「ふぁぁぁ~~…」


「歯磨きしたらご飯食べにいこっか。」


歯ブラシとかもちゃんと存在する。

プラスチックとかは存在しないから木や鉄でできていたりする。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【宿屋鷲の羽】食堂


ボクたちは食堂でエドさんと一緒に朝食をとっていた。

実は昨日あることをお願いして、食堂で待ち合わせをしていたのだ。

ついでなのでいっしょに朝食をというわけだ。


「すみません、せっかくの休みなのにお付き合いいただいて」


「いいんだ。それに勉強熱心な子は好きなのでね。」


そう、今日エドさんにお願いしたのは治癒魔法の習得についてだ。

出発まであと2日、それまでに出来れば習得したいのだ。


「ミア君にも治癒魔法を教えてあげよう。ついでに何か他の魔術もね。」


「よろしくお願いします。」


「そういえばセルティの様子はどうだった?まだ怒ってたかい?」


「いえ…それが。昨日のことが嘘のように優しく挨拶してくれました。」


「あはは、そうかそうか。」


朝セルティさんに挨拶したら、とてもやさしい笑顔で挨拶してくれたし、ミアが元気よくセルティに抱き着いたら愛おしそうにミアの頭をぐしぐしなでてた。朝からほほえましい光景だったなぁ。


「では食べ終わったことだし、私の工房で魔術の勉強をしよう。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【エドワルドの工房】


エドさんの家は町の中ほどにあって、結構年季の入った家だった。

壁には緑のツタがびっしりと張り付いている。

魔法使いの家って感じがしてとても好みだ。


「ははは、散らかっていて済まない。」


「そんなことないです。散らばった本や古い家具も、この家の暖かい生活感も、それに木や植物の匂いがとても落ち着きます。とても素敵な家です。」


「そ、そうかな。ありがとう。実は私もこのほうが落ち着くんだ。」


「わかります。ボクの実家もこんな感じでした。」


「そうか…いつでも来てくれてかまわないから。遊びにおいで。」


「はい。是非。」


ボクはこれくらい生活感のある家のほうが好きだ。

そんな風に思いながらふとエドさんの家のソファを見てみるといつのまにか

ミアがちょうど日向になったところで丸まって二度寝していた。

寝る子は育つ。というかそのまんま子猫だな。


「すみません、ミアが…」


「寝かせといてあげよう。ミア君も気に入ってくれたみたいだ。あはは。」


ミアはとても気持ちよさそうな寝顔をしている。

子猫が嫌いな人ってこの世界にいないんじゃないかな。

だってこんなに可愛いのだから…。


「では、私たちだけで先に始めてしまおうか。」


「はい!よろしくお願いします!」


「まぁ教えるといっても、君にはほとんどその必要はないとおもう。」


一体どういうことなのだろうか。


「君がミア君を助けた経緯を聞いたときにね、気が付いたんだ。」


エドさんはそういうとミアのほうを見た。

ミアはスヤスヤと寝息を立てて眠っている。


「衰弱しきった7歳の少女が、賊に暴行を受けて、そのまま自然治癒で治るなんて…まずありえないことだ。」


つまりミアはあの時、普通なら助からなかった…ということか。

でも一応、応急処置はしたんだけど…。


「ミア君を助けたのは、君の魔力だ。君はその時こう思ったんじゃないかな。「この子を助けたい。傷を癒したい」と。そしてミア君に触れた。」


「はい。確かにあの時…そう思っていました。」


エドさんはやはりそうだったかと、うなずいた。


「リュウ君。魔力とはそもそも一体何か、わかるかい?」


「…?いえ、まったくわからないです。」


ボクのいた世界には魔法なんてなかった。

魔力が何か、まったくわからない。


「魔力とは【命】または【心】であると、考えられているんだ。」


「心…。」


「ああ、そして、君は恐らく素晴らしい白魔法の才能がある。魔法の知識が全くない状態で、無詠唱で、ミア君の命を救ったということになるからね。」


「…そんな…本当に…ボクが魔法を?」


「では、試してみよう。(私の予想が正しければ…この子は…。)」


エドさんはそういうと萎れた植物の葉を机に置いた。


「この植物は生きていると思うかい?」


「いえ。死んでると思います。」


「いや、この子はまだ生きている。だけど、この子はこのままだと絶対助からない。あの時のミア君と同じ状況なんだ。(この植物は間違いなく死んでいる。つい先ほど完全に命が尽きた状態…そう、ミア君と同じ状況にある。)」


その植物はすでにほとんど枯れていて、色も茶色くなっている。

どんなに水を与えても、栄養を与えても、助からない。

それこそ、【魔法】でも使わないと助けられない。


「…!」


「リュウ君。この植物に触れて、あの時と同じように「この子を助けたい」と思うんだ。」


「…はい!」


ボクは植物に生き返って元気になってくれと祈った。


「----!」


「やはりか…!(神級白魔法…【リザレクト】…間違いない。)」


その植物はみるみる鮮やかな緑色になった。

さらにその先端から小さなつぼみが生まれ、白く美しい花が咲いた。


「リュウ君…君…冒険者カードは作ったかい?」


「はい…これです。」


「魔力値…120~121…なるほど。そういうことか。(ミア君の蘇生と回復に魔力を消費していたのか…)」


するとエドさんが何かに気がつた様にボクを見た。

そして、「なるほどそういうことか」などと言っている。


「神級魔法を使う程の魔力…魔族並みだ…。まさか!?男女の性別がない新種の魔族!?」


「それはないです」


「し、失礼した…。」

(しまった…つい女性に対して失礼なことを言ってしまった…。)


もしかして、まだボクを女だとか思ってるんだろうか。

いっそこの場で脱いでやろうか…

温泉の時もなんだかんだ目線を外していたのは知っているのだ。


「おほん、とにかくだ。君の魔力はもう一度測りなおすべきだろう。」


「…むぅ…(ごそごそ)」


ボクは肩に羽織っていたコートを脱ぎ、ベストのボタンを外した。


「リュ…リュウ君?何故…脱ぎだすんだい…?」


「あ~…ちょっと暑いな~っと思いまして…。(ぬぎぬぎ)」


いっそインナーだけになれば男だってわかってくれるだろう。


「ちょ、ちょっと待ちなさい。なぜ全部脱ごうとするんだ!?」


「えと…暑いので…(ごそごそ)」


「ま、待ちたまえ…!そこまで脱ぐ必要は…おわ!?」


とそこで急に立ち上がったエドさんは、足元に散らばっていた本に躓いた。

そのまま体勢を崩して、向かい合っていたボクに倒れこんでしまう。


「わわ…ッ!」


そのままエドさんに押し倒されてしまう。


「っ…。すまない…!」


ボクはエドさんに押し倒される感じでソファに仰向けに倒れてしまった。

エドさんは思っていた以上に体重がずっしりと重いみたいで

ボクは身動きが取れない。


「こんにちはーー!エドさんお久ぶりッスね!マスターから伝言が……わぉ…」


ギルド職員のハーシーさんが元気に玄関から入ってきてしまった。

今はオフモードなのか、素の砕けた話し方になっている。


そして目の前にはワイシャツをはだけさせ、半裸で押し倒されるボクと

ボクの両腕を拘束して押し倒し、息を荒くしているエドさん…。

ハーシーさんはそれを見て口元に手をやりながら、赤面した。


「あ、あのエドさんが…新人の子を押し倒してる…!はわわわ!」


なぜこんなタイミングでハーシーさんが!?


「し…!失礼しました!後はお二人でごゆっくりどうぞ!(バタン)」


そう言ってハーシーさんは即効で玄関から出て行ってしまった。

なんてこったい。とんでもないところを見られてしまった…。


「これはまずい…。(事故とはいえ、私が女性を押し倒しているところを見られてしまった!)」


「まずいですね…。(BLだとか思われたらどうしよう!?)」


エドさんとボクは二人でそうつぶやいた。

実際はエドさんとボクの[まずい]の意味合いがかなり違うのだが…。


安心してください。BL小説じゃないです!

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