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クローン法案の成立

作者: さきら天悟
掲載日:2019/03/19

クローン技術、それは禁断の書。

神の領域を犯す、魔法の書である。

魔法の書に書かれた呪文を唱えると、望みが叶うように、

遺伝子情報を読み取り、手を加えることによって・・・

だが、日本政府は倫理という厚い壁を打ち破り、

クローン技術の研究を進めたかった。

202X年のことだった。






「ねぇ、クローン創った?」


「う~ん、迷ってる」


「なんで~

私なんかすぐ創っちゃった」


「う~ん」


「お金より、

命より大事じゃん」


「命より?」


「だって、なにかあったら・・・

すぐに復活できるじゃん」


「・・・」


「もし、なくなったら・・・

私、どうにかなっちゃう」




こんな会話が女子高生の間で交わされていた年、

与党はクローン法案を国会に提出した。

賛否の世論は拮抗していた。

未だに倫理の厚い壁はあったが、

若者世代には自然と受け入れられていた。

それは政府の世論操作があったからだった。


202X年になるとクローンは当たり前の言葉として使われるようになった。

それはスマホだ。

以前ならデータの『バックアップ』、『コピー』と言っていたが、

それを『クローン』と呼ばせたのだった。

若者たちを洗脳するため。

政府は頭打ちになったスマホ業界に働きかけた。

70%オフでクローンスマホを提供するようにと。

ネット接続は両方使わないだろうということで。

そして、『クローンを創る』という言葉の抵抗感を引き下げたのだった。




みなさん、気を付けましょう。

『スマホのクローンを創ろう』という言葉を聞いたら。

それは何かの思惑があるかもしれないということに。

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