表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱のチーター  作者: 黒田 雷
4/5

4話 TA会と才子の誘い

どうも黒田です。今回は普段通りの字数になりました。

今回も楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、どうぞ。

 「ただいまー…」今日も長い1日がやっと終わった。「あら、お帰り今日は少し遅かったわね。」

母が玄関まで来て言う。「あぁ、まあいろいろあったんだよ。」少し濁してごまかすように言う。

ペアが出来たなんていったら母は失神してしまうだろう。

「そうなの、拓斗にもやっと恋の時期が訪れたのね。あーまあどうしましょう。

お母さん心配だったのよ。一生独身で孤独死するんじゃないかって。」なんか違うことと勘違いした母が

1人で勝手に興奮している。「とりあえず、飯のとき呼んで。」

とぶっきらぼうに言って自分の部屋に向かった。その途中、猫とじゃれあっているエノコログサ…

じゃなくて妹が「おかえりー」と言われたが面倒くさいので無視しといた。

「無視はひどいよー」と無視をしている誰かにいっていた。誰かは無視したまま部屋まで行った。

妹はエノコログサという植物系の能力を持っている。しかし、何の役に立つのかさっぱりわからない。

町を歩けば磁石にひきつけられる砂鉄のように猫が集まるし、常時体に猫がくっついているという

嬉しいようで全然嬉しくないというか不便な能力だと思う。

でも、妹は意外と好きらしい、この能力と猫が。

 俺の部屋はまさに中学生の男子部屋という感じだ。床には、ぬぎっちらかした服と漫画が

山のように放置されている。足の踏み場はあることにはあるがとても狭い。プリントは

カーペットの代わりになっていて、タンスは閉まりきらずに服が飛び出ている。

『テレン♪』メッセージが届いた。ちょうどいいタイミング

【メッセージ】

from小宮 才子  to端下 拓斗

無題

今日はありがとう。早速なんだけど明日土曜日の予定あいてる?

バトルの練習をしたいんだけど。


練習は組んだばかりのペアだからやっておいたほうがいいだろう。

すかっリ忘れていた、気づいてくれた事に感謝だ。確か明日は予定がないから練習できるな。

【メッセージ】

from 端下 拓斗  to 小宮 才子

無題

あいてるよ。場所は学校でいい?時間は10時ごろから13時まででいい?

〈送信中…〉

〈送信しました〉


メッセージを閉じて数秒後、新しいメッセージが届いた。

「なんだ、返信早いな。」そういいながら、メッセージをひらいた俺の顔が真剣になる。

【メッセージ】

from TA代表  to 端下 拓斗

TA会についてお知らせ

TAに所属する方へ。

明日、午前9時からTA会を行います。今回は、重要な連絡もかねているので強制全員参加です。

準備が出来ましたら代表へ電話を入れてください。

「明日か…」ため息と一緒に半分諦めた声を出す。俺も一応TAの1人だ。やらなきゃいけないこともある。

いつもなら1ヶ月前くらいに知らせが来るのに、今回は急だった。しかも、嫌なタイミングで

おそらく急に連絡しないといけないことが出来たのだろう。練習は諦めよう。

【メッセージ】

from 端下 拓斗  to小宮 才子

無題

明日の練習急に用事ができちゃったからいけないです。ごめんなさい。

〈送信中…〉

〈送信しました〉


今度謝ったら許してくれるかな…ペアになってすぐ気まずくなるのは嫌だな、またあの時みたいに…

俺は頭を振って嫌な思考を意識的に止める。何か他の事を考えようとしたとき俺は思い出した。

そういえばケーキとココア奢ってもらってなくね。いいや、忘れたことにしよう。

そのときの俺なぜかそのことを許した。しかし、そこにマイナスな感情はなく、

むしろ自分からという感じだった。

「お兄ちゃん、ごはんできたよー」妹がしたから大きい声で呼ぶ。

きずくと俺は空腹状態で早足で下に下りた。


 髪の毛はまだびしょびしょで、少し汗ばんでしまうほどまだ体が熱いのにパジャマに袖を通し

ワクワクしながら急いで自分の部屋に行く。スマホを見てみると彼からの返信が来ていた。

明日はあいていたそうだ。なぜかわからないが、自分の顔が笑顔になるのがわかった。

一安心した才子は髪の毛を乾かし始めた。髪の毛を乾かしていると、またメッセージが来た。

一度乾かすのをやめて確認すると彼からだった。……いけなくなったらしい。

「何なんだよ。」少しふてくされたように言いながらベッドにダイブした。

ボフッとうつ伏せになると。自分が怒っていることにきずいた。いつもなら、そんなことそうでも良くて

一人で練習することにするのだが、何か変だ。なんというか、衝撃を受けた、ショックだった、

残念だった言葉はいくつも浮かぶがどれも当てはまらない気がする。

というよりも、当てはめたくない気がするといった方が正しい。この気持ちは初めてだった。


 結局その日、才子からの返信は来なかった。

 翌日、俺はしぶしぶ7時半に起きた。「今日は早いね。あら、もしかしてデート?」と母はまた

変な勘違いをしている。「いや、今日TA会やることになった。」「そうなの?大変ね。」と

母はどこか他人事のように言う。朝ごはんを食べ、休日だというのに制服を着たときには8時20分を

過ぎていた。母に行ってきますといってあわてて代表に電話をする。「もしもし、代表?」

「拓斗さんですか?支度はできましたか?」とはきはきとした、いかにも真面目女子という口調で彼女は

言った。「あぁ、迎えお願い。」それだけ言うと電話を切った。

数秒後俺の前に大きな穴のようなもの、いわゆるワープホールが出てきた。ついでに、人も出てきた。

「…………」無口な男子は手振りと表情だけで、おせえよクズ早く入れと言ってるように思えた。

「わるかったな。」と俺は集合時間約30分前なんだけどと思いながら言った。

穴を通ると目眩と吐き気に襲われる。それが治まると目の前にある椅子に座った。

そこには、俺を含めて10人のTA持ちの少年、少女とおいしそうなケーキ(えさ)がおかれていた。

代表はそろったのを確認すると口を動かさずに連絡を始めた。俺は待てをされた犬のようになった。

『忙しいときに急に呼び出しをしてすいません。今回、皆さんに伝えなければならないことがあります。

 今度行われる。全国団体競技大会があります。公式大会ではありませんが、メディアにも取り上げられ

 大人数が出場する有名な大会です。この大会に今回はTAでチームを組んで出ることに決まりました。

 裏で怪しい動きがあるそうです。その調査が目的になります。』

と代表は連絡という名の命令を俺らに伝えた。おそらく、これは国からの依頼だろう。

フィールドのエラーはコンピューターで見つけることが難しい。しかし、バトルをしているフィールド内の

人なら簡単に見つけることができる。だから、国は俺らによく調査を依頼してくるのだ。

そんないつも通りのことに、反対する者も、拒否する者もここにはいなかった。

それからは、全員黙り込んだままだった。ようやく待てを解除された俺はケーキを食べ始めた。

プロのパティシエが作った高級品らしい。とにかくおいしかった。

全員が食べ終わると『今回はこれで解散にします。』と

代表が伝えるのとほぼ同時にそれぞれの席の後ろにワープホールが現れた。

俺も含めた全員がそこを通り家に帰る。また、目眩と吐き気に襲われて目を開けるとそこは風呂場だった。

「もう少し出るところ考えようよ。」と俺はため息交じりにつぶやいた。


 才子は悩んでいた。昨日の夜から今までずっと考えていた。もうすぐ9時になる。

拓斗からの「いけない」というメッセージに対しての返信を考えていたのだ。

すでに没案は1000を超えていた。相手を傷つけずに返信する方法を才子は分からなかった。

今まで人とかかわってきたことがないのだ。ずっと一人でいた。だから、人との話し方がわからない。

才子は考えることをやめ、ほかの人の意見も見ることにした。

ネットで【◆男子にモテル返信の仕方◆】という怪しげで、信じてはいけなそうなサイトが

才子にとって唯一の頼りの綱であった。そしてできたのがこちら。

『オケ、だいじょぶー、気にしてないよ♡』

「…………ちっがーーーーーーーう!なんかおかしいなんかおかしいなんかおかしい!絶対やばいやつだこれ」

と才子は叫んでベッドに飛び込んだ。才子はこの時ネット恐怖症になった。

仕方なく自分で考えることにした。そしてできたのがこちら。

『ごめんなさい返信遅れた。ううん気にしないで大丈夫だよ。』

我ながらなかなかの出来だと自画自賛して送信した。良い返信が思いついて、才子は上機嫌だった。

気が付くと時計は10時を示していた。だいぶ遅めの朝ご飯を食べて、才子は宿題を始めた。

午後になると武器屋に行くことにした。いつもは拳銃のコーナーに行くが今日は

双剣のコーナーに行った。彼の武器があまりにも弱い武器だったので買ってあげようと思ったのだ。

前使っていたものよりも1つ上のものを買った。このくらいが、相手にも気を使わせなくていいだろう。

店を出ようとしたらセール中のスナイパーライフルもあった。安かったのでついでに買ってみた。

お使いも頼まれてしまったので荷物がとんでもない量になっていた。

その荷物は、小さい体にまとわりついているようだった。すれ違う人が才子を2度見する。

そういえば彼、今日何してたんだろう?明日聞いてみようかな?

そんなことを考えながら才子は夕日が覗く道をゆっくり歩いていった。






読んでくださりありがとうございました。

よろしければコメント・評価の方よろしくお願いします。

次回も楽しんでくださると幸いです。


〈今回の裏設定〉

主人公端下拓斗の妹は、エノコログサの能力を持っているため、

町を歩けば猫の行進状態になります。自治体の方から何度か注意を受けたこともあります。

本人は追い払おうとして手を振ってもエノコログサは揺れるので

結果的に猫が喜んでしまったこともあります。

天然ですね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ