七話「つながる洞窟」
私たちは何でもない他愛のない言葉を交わしながら森の奥へと歩みを進める。洞窟なんてよく考えればいくらでもある。だが、どの洞窟を見ても何かピンと来ない。雨は徐々に強くなっていた。
そして……。
「雷よ」
雪下さんの言葉に私は反応する。
木が近いから危ない。だからとはいって急いで帰るのも危険かもしれないし、まだ何も発見していない。せっかくだしあきらめたくはない。
「リーダー、あそこの岩壁見て!!」
すみれに言われて前を見る。
「洞窟……だ」
「あぁ、俺らは見つけたんだな」
「秋彦、感嘆してる場合ではない」
「そうだな……みんな、あの洞窟に入れ。急げ!!」
私と明彦の会話を聞いて、私たちは洞窟に入る。この中は真っ暗だった。
「ちょっと誰よ。私の体触れたの」
全く何やってんだか。
リュックから懐中電灯を取り出し、電気を付ける。
「おう、それ、俺も持ってるぜ」
「私もありますよ」
秋彦を含めて四人が懐中電灯を取り出し、同じように電気を付ける。
「やばかったな」と明彦。
「それよりもお前気づいてるだろ?」
「あぁ……」
私がそう言うのも、俺たちが入った入口が綺麗に閉ざされている。まるで入口がなかったかのように。岩石で埋められたようではない。洞窟の壁となっている。他のみんなもそのことに気づいたようである。
「どうするか……。ん?雪下さん、傘貸したよね?」
雪下さんを見たら雨に濡れたのか肌が露わになっている。そこから見える下着も見えてしまう。他の女子たちも同様だった。
「うわー。ほんと男子ってサイテー……。貸してもらったけど、急いで差せなかったわ。別にあんたから借りて……」と雪下さんは後の言葉をブツブツと小声で言っている。
「ごめん。だが、今はそれよりもどうするか決めないと……」
「そんなもん決まっているっしょ?閉ざされた道よりも開いた道に進むのが……。あわわわわ……なんかすみません」
秋宮すみれはそう言って慌てる。確かにそれしかなさそうだ。彼女は恥ずかしがり屋だが、こんなふうに助けてくれる。
「すみれちゃん、ありがとう……みんな、行くぞ。宝を求めて」
「おおー!!」
こうして私たちは何も変哲もない、この洞窟の先を向かっていくのだった。
そして時間で言うなら十分近くたった頃、ようやく出口らしき物が見えてきた。
「ねぇ、真っ直ぐしかないこの洞窟に宝ないじゃないの?」
「みなみ、あきらめるのは早い。あの出口の先に宝があるんだ」
「まぁ、先に行かなくちゃ。意味ないもんね」
私たちは出口に足を運んで行く。
徐々に見えてくる草原豊かな外の世界。
私たちはこの時、宝を求めて歩いていただけだった。
この洞窟の先に私たちの知らない世界があることはもうすぐ気が付くのだった。




