六話「厄介者はどこまでも」
私たちは目指していた森の入り口へと辿り着く。奥が薄暗い。そして雨がぽつりぽつりと降り始めていた。
「着いたか。明彦、気が付いてるよな?」
「あぁ。付いてきてるな」
「えっ?何?」とすみれは聞いてくる。
私はそれに対して親指を突き立てて後ろを指差す。
「厄介学級係だ」
そう言うと、一斉に周りにいたみんなは後ろを振り向く。すると何もなかったかのような振る舞いでポニーテールを猫のしっぽのように揺らしながらこちらを雪下さんが歩いてくる。
「あら、偶然ね。こんなところでみなさん、危ないじゃないのかしら?雨も降るっていうのに」
「そうですね。公園の茂みに隠れては今まで私たちの後ろを陰から隠れては付いて来て。おかげに傘を持たないで。雪下さんこそどこへ向かうのかな?」
私の質問に対し、顔を赤めて唇を軽く噛み締めてる。どうやら、学級係の役目上見過ごすことは出来ないのと私たちの行動の興味の狭間で何も言い返せないのだろう。そして彼女はあまりにも何も言えなくて目から大きな水粒がこぼれ落ちた。
「みなみちゃん……」とすみれ。
「何よ。えっ、何で私泣いてるの?嘘よ。こんなの。だって私は……」
「俺らのクラスメイトだろ?今は役目なんて気にせず好きなことをすればいい。だってここは学校じゃないんだ」
私の言葉に少し黙り込んだ彼女は力強く頷いて言う。
「私も付いていく。お願いね、リーダー」
「あぁ。了承の証にあげる」
私は彼女に長い傘を与える。
「えっ?あなたのは?」
「俺のはリュックに入ってある。それにそれがあれば疲れた時も杖として助かるだろ?」
「……ありがとう」
「よし、ミルキー団は今ここで十人になった。例の調査のために森へ進む。各自気を付けろ」
「おぉー」
こうして私たちは森の中へと足を踏み入れていくのだった。




